奈良県の伝統工芸

奈良県は我が国の文化が発祥した土地で、遠く1300年前の、推古・天平の昔から精緻で巧妙、そして豪奢極まりない多くの遺品を、正倉院御物又は社寺の寶物としていまに伝えております。 現在、県内で生産されている工芸品は、これら国宝級の文化財を製作した当時の技術者の子孫又はその技術の伝承者の手により生みだされ、時代の流れに応じて形を替え、意匠技術に多少の変遷を見せてはおりますものの、脈々と継いできた祖先の威風はやはり、心のふるさと「大和」ならではの古典の香り高いものであります。 もとより奈良の伝統工芸品はすべて飛鳥・天平に端を発したものばかりではなく、近世に生まれたものも数多くありますが、いづれにせよ育まれた大和の風土の為か、やはり古典の格調と伝統の趣を堪えているものと自負いたします。

奈良県工芸協会について

第二次世界大戦後の混乱の中、昭和26年奈良県商工観光館に事務所を置き、奈良県における歴史と格調高い、伝統ある多くの工芸品の技術と研磨、振興、又後継者育成を目的として設立されました。
以来、通年東京都を中心に各地で、「奈良県の伝統工芸展」「奈良一刀彫雛人形展」「茶道具展」等開催しています。
又、昭和52年には青年部会が結束され、研究会と作家展を実施し活動を行っております。 
一方、奈良県、奈良市を中心に各市の事業等に運営や展示に協力し、平成12年奈良市における、「なら工藝館」開館には、設立運営面で大きな役割を担ってまいりました。